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輪島市役所及び白米千枚田愛耕会から棚田保全活動に若者の応援が欲しいという依頼があり、石川県立大学の学生に呼びかけ、学生サークル「白米千枚田学生応援隊」を設立しました。部員は16名で、女性14名、男性2名。活動内容は、①棚田での農作業、②イベントの運営、③棚田保全や地域に関しての情報発信の応援です。早速5月の田植えイベントの運営の応援をします。サークルの設立は、石川県立大学当局も能登の復旧、復興支援のきっかけになると評価をしており、学生の活動を積極的に支援するとしています。

協会は白米千枚田(世界農業遺産:輪島市)の復旧、保全活動に関して、輪島市役所及び白米千枚田愛耕会(棚田保全団体)に対して提案を行いました。輪島市役所は、白米千枚田の営農維持について、これまで白米千枚田の約半分(棚田500枚)の営農を担っていた愛耕会のメンバーが多く被災され、人手が減っていることから、棚田保全活動の担い手には、愛耕会だけに頼るのは厳しく、様々な人々の確保を検討しているとのことでした。当協会は、協力要請があれば大学生を派遣することが可能であることを提案しました。また、災害対応で市役所職員が大変忙しいことにかんがみ、輪島市役所が事務局を務めている公益財団法人白米千枚田景勝保存協議会の事務作業について、当協会が一部代行等も可能であることを提案しました。白米千枚田愛耕会に対しては、白米千枚田の復旧工事については、技術的に難しく、また人力で行うには十分な安全を確保する必要があることから行政に任せ、復旧後のソフト面の体制づくりに注力するべきでは、と提案を行いました。愛耕会は棚田保全体制の強化や様々な事業展開のために法人化の検討も行っており、当協会に法人化の手続き等設立について相談に乗ってほしいとの依頼がありました。また、被災にあった居住地の南志見集落の営農飲雑用水施設の普及のために、なにかよい補助金制度がないか協会に相談がありました。

東京都内で「農業農村を応援する大学生サークル代表者会議」を開催しました。会議の目的は、各サークル間の活動情報交換と交流の推進で、①琉球大学おきなわ食・農研究会、②静岡大学棚田研究会、③信州大学むらづくり応援隊、④千葉大学援農お宝は発掘隊、➄東京大学東大むら塾、⑥明治大学楽農4Hクラブ、⑦名城大学地域共創隊WITH、⑧北里大学北里農援隊、⑨神戸大学地域おこしサークル水芭蕉、⑩新潟大学むらづくり研究会の10大学のサークルが参加しました。また、農村地域おいては、若者の関係人口の増加が重要という観点から農林水産省農村計画課も参加しました。昼の部の活動情報交換会では、各サークルが活動状況について発表し、意見交換が行われました。農村地域への移動経費の負担の在り方や新規部員の確保方法等各サークルの活動に当たっての課題について情報交換が行われました。また、「お米をめぐるお話」というテーマで元農林水産大臣政務官の宮崎雅夫参議員による講演も行われました。夜の部の交流会では、2時間飲み放題のお酒も手伝って、各サークルの代表者間のコミュニケーションが進み、アドレス交換をする等親密度が増しました。今後、各大学サークル間の交流が進むことが期待されます

御蔵島役場(東京都:伊豆七島)から依頼があり、当協会のプロデュースにより、お酒「源水の煌めき」(リキュール)が製品化されました。御蔵島村は、「みどり豊かな自然に恵まれ、ゆとりある暮らしとすべての人々に親しまれる御蔵島」<グリーン愛ランド・御蔵島>の実現を目指して、御蔵島村基本構想・基本計画の産業の振興においては、資源豊かな御蔵島村の特性を十分活用した地域産業を振興し、働く場の創出と住民の経済的自立に努めるとしています。その一環として、「御蔵島の源水」を販売していますが、今後は地域産業の更なる振興のため、源水と他の地域資源を組み合わせた新たな特産物、販路の拡大などを行う必要があるとしています。この対応として源水及び御蔵島の特産の「かぶつ」(柑橘:だいだい)を100%使ったお酒の製品化に取り組みました。製品化されたお酒の活用方法については、①ふるさと納税の返礼品として活用するのが有効ではないか、ふるさと納税については、公益社団法人日本将棋連盟等御蔵島村と関係がある機関や御蔵島村出身者等に協力を呼びかける、②今回製品化したお酒を試作段階として位置づけ、御蔵島村に来る観光客や御蔵島村内外でのイベント等参加者の試飲による、味や購入の可能性等に関するアンケート調査を行い、また、バイヤーの試飲による味の評価や販売の可能性のヒアリングを行い、これらの情報をもとにお酒の味の改善や販売戦略、事業収支の検討を行い、本格的事業化のためのマップロードを策定する、③マスコミを活用した「源水の煌めき」の宣伝を行う、などが考えられます。

役場がお酒のPRを開始しましたが、早速、島内の商店から製造、販売について、消費者から購入方法について照会が来ています。

三重県伊賀市において、「三重県棚田サミット」(主催:三重県)が開催されました。このサミットは、県内の棚田地域の関係者が一堂に会し、課題の共有や理解を深め合い、もって、山村文化の継承や山村地域の振興につながることを目的としています。県内の「つなぐ棚田遺産」の3つの棚田保全団体及び県、市町村の関係者、約50名が参加しました。伊賀市長、県農山漁村むらづくり課長の挨拶後に、当協会の中里良一理事長が「都市交流と大学生連携による持続可能な棚田保全と地域づくり」と題して基調講演を行いました。講演内容は、①中山間地域、棚田を取り巻く状況、②都市との交流人口、関係人口の推進、③持続可能な棚田保全方策、④「大学生サークルと農村マッチング事業」について。続いて、白米千枚田愛耕会(石川県輪島市)の堂下真紀子氏より「能登半島地震と能登豪雨による被害状況と復興について」と題して報告がありました。愛耕会のみなさまは全員被害(家族を亡くされた方もおられます。)を受けられ(一時孤立集落となりました)、避難生活、仮設住宅に住まわれながら、千枚田の復旧作業に取り組まれています。2024年元旦、白米千枚田道の駅に約80名の観光客が孤立状態になりました。堂下氏ほか愛耕会のみなさまは、自らも被災されているのにもかかわらず、危険状態にある道なき道(国道等が寸断され、車が通れない状態)を50分歩いて道の駅に行き、炊き出しをして、観光客に食事を提供されました。幸いプロパンガスと米(農家の強味)はあったそうです。水は湧き水を使用。数日後に観光客全員がヘリコプターで運ばれました。基調講演、堂下氏の報告後に全員で「つなぐ棚田遺産」である「西山の棚田」(伊賀市)を見学しました。「西山の棚田」(97ha)は昭和28年に大雨による土砂流入、法面崩壊により約8割の農地が壊滅的な被害を受けました。地域のみなさまの大変なご苦労により復旧され、現在、見事に整備された農地となっています。棚田の見学後、「災害を受けた棚田の復旧、復興について」をテーマにパネルディスカッション(コーディネーター:中里理事長)が行われました。棚田の復旧において、どのような形状にするか議論になりました。「美しい景観のため小面積の曲線状(現状回復)にすべきだ」という意見と「担い手が少なくなる中、労働作業を軽減するため、機械で営農できるように農地をまとめて大区画するべきだ」という意見がありました。みなさまはどうお考えになるでしょうか。パネルディスカッション後に地域の婦人部が棚田米で作られた美味しいおにぎりをいただきました。当協会では、輪島市役所及び白米千枚田愛耕会と白米千枚田の復旧及び復旧後の棚田保全方策(誰がどのように棚田を保全していくのか等)について、応援できることがないか協議を行っていきます。